優生保護法違憲国賠判決 神戸地裁

2021年8月3日

旧優生保護法について、違憲判決を出すも、またしても除斥期間20年を経過

しているとして損害賠償請求を棄却した。

今回の判決で目新しいのは、差別偏見除去義務等に関して、立法の裁量として、

不作為義務を認めなかったことである。

しかし、優生条項の廃止に関して、国会議員の違法を肯定しながら、差別偏見

義務に関して、立法の裁量論を持ち出すのは、矛盾ではないか?

また、判決では、付言の中で、今後差別偏見を解消するための積極的な施策が

講じられることを期待したいと述べるが、そこまで言うのであれば、どうして

国会議員の違法や厚生労働大臣の不作為の違法まで言いきれないのか?゛

不作為の違法が言えれば、除斥期間の余地はないことは明らかであり、損害賠償

請求が棄却されることもなかったはずである。

いかにも中途半端の判決である。